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新人薬剤師が「仕事できない」と感じる理由と解決策


この記事で解決できる悩み

こんな悩みを解決できる記事を用意しました!

キリシマ

実際にボクも新人時代に「仕事ができない」と悩んでいましたが、この記事で紹介する方法を実践することで、少しずつ薬剤師として成長できました。

同じように悩んでいるあなたも、きっと変われるはずです。

目次

新人薬剤師によくある4つの悩み

新人薬剤師として働き始めると、想像していた以上に様々な壁にぶつかることがあります。

新人薬剤師

自分だけがこんなに苦労しているのかな?

このように不安になることもありますよね。

キリシマ

安心してください。ここで紹介する4つの悩みは、ほとんどの新人薬剤師が経験する共通の課題です。

悩み① 職場でのコミュニケーションがうまくいかない

新人薬剤師

医師への疑義照会の電話が緊張する…

新人薬剤師

先輩に質問したいけど、忙しそうで声をかけづらい…

こんな悩みを抱えていませんか?

新人薬剤師さんにとって職場でのコミュニケーションは、想像以上に高いハードルですよね。

しかし、薬剤師の仕事では医師や看護師、事務スタッフといった他職種との連携が欠かせません。
さらに様々な年代の患者さんとも関わる必要があります。

特に疑義照会で医師に電話する時は「怒られないかな?」「質問されてもすぐ答えられるかな?」と不安になりますよね。
また、先輩薬剤師に相談したくても「こんなことで聞いていいのかな?」と遠慮してしまい、結果的に一人で抱え込んでしまうケースも多いと思います。

でも、コミュニケーションを避けていると調剤ミスのリスクも高まってしまいます。

最初は勇気がいりますが、分からないことは積極的に聞く姿勢が大切です。

キリシマ

新人の頃は、「新人」というだけで大目に見てもらえます。
あくまで自分で考えた上で、分からないことは積極的に上司に質問しましょう!

悩み② 知識・経験が足りない

新人薬剤師

国家試験は合格したのに、現場では分からないことばかり…

これは多くの新人薬剤師が感じる率直な気持ちです。

大学で学んだ知識と実際の現場には大きなギャップがあります。

悩みの例
  • 患者さんから「この薬はいつ飲めばいいの?」と聞かれても答えられない
  • 薬歴の書き方が分からない
  • 調剤の手順でつまずく
  • 疾患と薬が結びついてない

こんな経験はありませんか?
「薬剤師なのに薬のことが分からないなんて」と自分を責めてしまう人もいますが、これは当然のことなんです。

現場で必要な知識は膨大で、用法用量から薬物相互作用、服薬指導の技術まで、実際に経験しながら身につけていくものがほとんどです。

焦らずに一つずつ覚えていけば大丈夫。
先輩薬剤師も最初は同じような経験をしているはずです。

キリシマ

分からないことがあったら「勉強不足ですみません」と素直に聞いてみましょう!

悩み③ 調剤ミスへの不安

新人薬剤師さんが最多いミスは「調剤ミス」ではないでしょうか。

新人薬剤師

もし間違ったものを患者さんに渡してしまったらどうしよう…

新人薬剤師

鑑査してる先輩に怒られそう…

このような不安は常につきまといますよね。

実際、薬のミスは患者さんの健康に直接影響するため、責任の重さを実感せずにはいられません。

慣れない業務で焦ったり緊張したりすると、いつもなら気づくはずの間違いを見落としてしまうこともあります。
また、似たような薬の名前や複雑な処方内容に戸惑うことも日常茶飯事です。

キリシマ

でも、ミスを完全に避けることは誰にとっても困難です。

大切なのは適切な確認手順を身につけること。そして、分からないことは必ず先輩に相談することです。

散剤・水剤・粉砕などの調剤は、調剤後にミスに気づいても簡単には作り直せず、在庫不足の原因にもなります。不安がある場合は、調剤前にしっかりと確認することが重要です。

以下、調剤ミスでよく起こる事例をピックアップしました。

調剤ミスでよく起こる事例
  • 数量の取り間違い
  • 薬剤や規格の取り間違い
  • 用法用量の確認ミス

悩み④ 将来が見えず不安

新人薬剤師

この職場でいいのかな?

新人薬剤師

将来どんな薬剤師になれるんだろう?

新人薬剤師さんの多くがこんな不安を抱えています。

薬剤師の働く場所は調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬会社など本当に様々で、それぞれ違った専門性やキャリアの積み方があります。

キリシマ

大学の同期と会って話すと「あの子は病院で専門的な仕事をしてるのに、私は調剤ばかり…」なんて比較してしまうこともあるでしょう。

現在の職場で成長を感じられなかったり、教育体制に不満があったりすると、転職を考える新人薬剤師も少なくありません。

でも、薬剤師として一人前になるには最低でも3年程度かかると言われています。

短期間で判断するのは少し早いかもしれません。
まずは「どんな薬剤師になりたいか」を考えてみてください。
そのために必要な知識や経験を今の職場で積めるかどうか、冷静に見極めることが大切です。

もし本当に合わないと感じたら、転職も一つの選択肢です。
一人で悩まず、信頼できる先輩や転職エージェントに相談してみましょう。

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悩みを解決する実践的な方法4つ

新人薬剤師さんは悩みを一人で抱え込まず、具体的なアクションを起こすことで解決の糸口が見つかります。

日々の業務の中で実践できる効果的な方法をご紹介します。

1.コミュニケーション力を向上させる

コミュニケーション力の向上は、実践を通じて身につけることが最も効果的です。

職場の同僚や上司とのコミュニケーションでは、些細なことでも積極的に質問や相談をする習慣をつけることが大切です。

「教えてください」という姿勢を示すことで、先輩薬剤師も喜んで協力してくれるはずです。

また、基本的なビジネスマナーを身につけることも良好な関係構築に欠かせません。
報告・連絡・相談を心がけ、感謝の気持ちを言葉で表現するよう意識しましょう。

患者さんとの会話では、人見知りの方でも、毎日の服薬指導を通じて自然と会話に慣れていきます。

最初は簡単な挨拶や薬の説明から始めて、徐々に患者さんの気持ちに寄り添う会話ができるようになります。

成功体験を積み重ねることで自信もついてきます。

キリシマ

コミュニケーションを上達させるには、「慣れ」が何より大事です。薬剤師の仕事では、会話は避けて通れません。だからこそ、場数を踏んで少しでも早く慣れることがポイントですよ。

2.知識不足を補う効果的な学習法

知識不足を効率的に補うには、日常業務と関連付けた学習が最も有効です。

業務中に疑問に思ったことは必ずメモを取り、その日のうちに調べる習慣を身につけましょう。

「疑問→解決」のサイクルができると、理解も深まり知識の定着もしやすくなります。

また、新人薬剤師向けの書籍やスマートフォンアプリを活用することで、隙間時間を有効活用できます。

セミナーや勉強会にも参加し、最新の医療情報にアンテナを張っておきましょう。

キリシマ

何より重要なのは、分からないことを恥ずかしがらずに先輩に聞くことです!

過去の処方箋を見て「どんな病気や症状なのか」「何の目的でその薬が処方されているか」を考える習慣をつけると、薬剤と疾患がセットで理解できるようになります。

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3.ミスを減らすための実践的な方法

調剤ミスを減らすには、まず原因を分析して具体的な対策を立てることが重要です。

ミスをした際は、なぜ起こったのかを徹底的に考え、同じミスを繰り返さないための工夫を行いましょう。

例えば…

  • 薬を取り間違えたなら:薬を戻す前にラベルを2回確認する癖をつける
  • 量を間違えたなら:分包紙に書かれた日数・回数と処方内容を声に出して確認する
  • 入力ミスをしたなら:鑑査の前に自分で一度見直す時間を必ず取る

また、「これで合ってるかな?」と少しでも不安に思ったら、すぐに先輩に聞くことが大切です。

キリシマ

「あとで聞こう」はミスの元。患者さんに薬が渡ってしまったら取り返しがつかなくなります。疑問はその場で解消しましょう!

万が一、ミスをしたときは隠さずに報告し、原因と対策を共有することが、職場全体の安全にもつながります。

もし相談しにくい雰囲気や、教育が機能していない場合は、信頼できる先輩や上司に状況を伝える勇気も必要です。

他人が起こしたミスも自分事だと思って下さい。職場全体で同じミスを起こさないようにすることが何よりも大切なことです!

4.キャリア形成の考え方

キャリア形成では、まず「どんな薬剤師になりたいか」という明確なビジョンを描くことから始めましょう。

  • 何が得意か
  • 何をやりたいか
  • 何をやっているときに充実感を感じるか
  • これまで誰とつながり、その縁をどう生かしたか

以上の4つの視点から自分を振り返ると、本当にめざしている方向が見えてきます。

一つの職場でじっくり経験を積むのも、いくつかの現場を経験して視野を広げるのも、どちらも立派な選択肢です。

自分が目指す方向に合った環境で、専門性を高められる経験を選びましょう。

「将来はこんなことをやりたい」と日頃から公言しておくと、周囲の人が話を持ってきてくれることもあります。

人とのつながりを大切にし、積極的に学会や研修会に参加することで、新たなキャリアの可能性が開けるかもしれません。

もし現在の職場で成長が感じられない場合は、転職も一つの選択肢として検討しましょう。

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新人薬剤師が身につけるべき5つの基本スキル

薬剤師として一人前になるためには、専門知識だけでなく、効果的なコミュニケーションや業務への取り組み方など、基本的なスキルを身につけることが重要です。

これらのスキルを習得することで、日々の業務がスムーズになり、患者さんや同僚との関係も良好になります。

スキル① 結論を先に、理由で補強する

疑義照会や報告の際は、最初に結論を述べてから理由を説明しましょう。

なぜなら

忙しい医療現場では時間が限られており、要点を素早く伝える必要があるためです。

例えば

疑義照会では「投与量を減らした方が良いと思います」と最初に結論を伝え、その後で「腎機能低下により薬物の排泄が遅延するため」という根拠を説明します。

理由から話し始めると「結局何が言いたいの?」と相手を困惑させてしまい、時間切れで本来伝えたいことが伝わらない可能性があります。

キリシマ

結論を先に言うことで、話している途中で論理が破綻するリスクも避けられますよ!

「まず結論、次に理由」の順番を意識することで、短時間で的確に情報を伝えられるようになり、医師や先輩薬剤師とのコミュニケーションが格段にスムーズになります。

スキル② 概要を示してから、具体的に説明する

服薬指導や業務説明では、全体像を最初に示してから詳細に入る習慣をつけましょう。

なぜなら

聞き手が話の構造を理解しやすくなり、最後まで集中して聞いてもらえるからです。

例えば

特に手順が複雑な自己注射製剤や吸入薬の指導では効果を発揮します。

「注射の使い方は、①準備、②注射、③片付けの3ステップです。順を追って説明しますね。」

このように手順が複雑になりがちな自己注射も、構造化して伝えることで不安を減らせます。

キリシマ

いきなり詳細から始めると、患者さんは「あとどのくらい説明が続くのか」と不安になり、理解度も下がってしまいます。

複雑な手順を説明する際は、事前に「簡単です」「慣れれば誰でもできます」と安心感を与える言葉を添えることも大切です。

全体像→詳細の順で説明することで、患者さんの理解度向上と指導時間の短縮を両立できます。

スキル③ あれもこれも言わない、ポイントを絞って伝える

服薬指導では情報量を絞り、重要なポイントを3つ程度に限定しましょう。

なぜなら

人間の記憶力には限界があり、たくさんの情報を一度に伝えても効果的ではないためです。

薬剤ごとに伝えたいことは山ほどありますが、「本当に重要なことは何か」を見極める力が必要です。

例えば

副作用説明では、
「ポイントは3つあります。①出血症状について、②低血糖症状と対処法、③脱水の予防」
というように、患者さんの状態に応じて優先順位をつけて説明します。

最初から「3つのポイント」と宣言することで、患者さんも記憶しやすくなり、後から思い出す際も「確か3つだったよね」と整理しやすくなります。

キリシマ

可能であれば、お薬手帳や情報提供書に重要なポイントを書き込んだり、線を引いたりする工夫も効果的です!

ポイントを3つ程度に絞ることで、患者さんの理解が深まり、質の高い服薬指導ができるようになります。

スキル④ 仕事の目的を理解する

業務を覚える際は、手順だけでなく「なぜその作業が必要なのか」という目的まで理解しましょう。

なぜなら

目的を把握することで、一つの教えから多くのことを学べ、応用力も身につくからです。

例えば

「この薬は腎機能をチェックしてから調剤してください」と言われた時、単に覚えるだけでなく、「腎排泄型薬剤は腎機能低下により血中濃度が上昇し、副作用リスクが高まるため」という目的を理解することが大切です。

キリシマ

このように、同じように腎排泄される他の薬剤についても自ら注意するようになり、効率的に知識を増やせます!

また、マニュアルにない想定外の状況が起きても、目的に照らして臨機応変に対応できるようになります。

「仕事を覚える」から「仕事の意味を理解する」へと意識を変えることで、成長スピードが格段に向上し、より深い専門性を身につけられます。

スキル⑤ 仕事を進んでやる

与えられた仕事を積極的に引き受け、患者さんのために前向きに取り組みましょう。

なぜなら

主体的な姿勢が成功体験を生み、仕事への情熱と自然な成長につながるからです。

例えば

・吸入薬の手技に困っている高齢患者さんに、スペーサーを提案して「これなら使える!」と喜ばれた

・錠剤を嫌がる子どもの親御さんに、服薬ゼリーを紹介して「やっと飲んでくれました」と感謝された

・残薬が多い患者さんに一包化を提案し、アドヒアランスが改善した

薬剤師の仕事が好きになるきっかけは、患者さんから「ありがとう」と感謝されたり、処方提案が医師に受け入れられたりする成功体験にあります。

キリシマ

こうした経験を積むには、受け身ではなく自ら仕事に向き合う姿勢が不可欠です!

最初は薬理が苦手でも、コミュニケーションが得意でなくても、患者さんのために頑張る気持ちがあれば必ず成功体験にたどり着けます。

新人の頃は患者さんの問題点を見つけ、どう解決できるかを常に考える習慣をつけることが大切です。

まとめ

新人薬剤師さんが「仕事できない」と感じる悩みは、決して特別なことではありません。

今回の記事では、以下をご紹介しました!

新人薬剤師の悩み4つ
悩みを解決する具体的な方法4つ
身につけるスキル5つ

職場でのコミュニケーション、知識・経験不足、調剤ミスへの不安、キャリア形成への迷いは、ほとんどの新人薬剤師が通る道です。

キリシマ

重要なのは、これらの悩みを一人で抱え込まず、実践的な解決方法を身につけることですよ!

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この記事を書いた人

病院薬剤師5年
薬局薬剤師1年
離島病院・薬局経験あり
現在は専業医療系ライター、フリーランス薬剤師

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